漫画【残酷な神が支配する】結末が気になる究極ミステリー・ネタバレ・母の為に犠牲に！
元書店員の漫画マニアママです！
今日もお付き合い下さい♥
感想・読み手
「重くて切ない、究極の人間ミステリー」
今日ご紹介するのは、萩尾望都先生の「残酷な神が支配する」です。
近年毎日の様に児童虐待が報道されてますが、子どもにとって親は絶対的なもの。
私も自身に二人の子どもがおり、
日々悪戦苦闘しながら子育てしている
ワケですが、やっぱり子どもって親の
影響を良くも悪くもモロに受けます。
ウチはもちろん「虐待」なんて
していませんが、私の周囲にも
放任家庭や虐待家庭で育った同級生もいます。
彼女達の中には、やはり愛情不足
というのもあってか、人間不信になり
他人とコミュニケーションとれない子…
自身も虐待するのではないかと
不安な気持ちから子どもを生まない選択をした子等がいます。
そういう子を見ると、本当に
「虐待」の影響や傷というものは、
消える事がないんだとしみじみ痛感します。
この作品も「虐待」の根深さを
丁寧に描いており、最初から
最後までかなりヘビーな内容となっています。
レビューを見ても、辛すぎて
途中で挫折した…鬱気分になる…
と、書かれていて万人受けは絶対しません。
まぁ、内容が内容だけに胸が痛む
のですが、萩尾先生の繊細な画に加え、
心理描写の丁寧さ、心情を代弁する様な
情景は大変美しく読む度にその完成度の
高さに惚れ惚れしてしまいます。
昔から活躍されてる作者さんだけに
画的には、多少古臭いと感じるかも
しれませんが、内容は現在の社会問題とさほど変わりません。
中々、古臭い画というものは
最近の若い方は手に取るのを
ためらわれるかもしれませんが、
かなりの名作となっていますので、
騙されたと思って読んで頂ければと思います。
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あらすじ
「母の幸せを願い、自ら犠牲になる少年」
ではこの名作である
「残酷な神が支配する」の
簡単なあらすじからお話ししていきたいと思います。
舞台はアメリカのボストン。
一人目の主人公…と言っても、
読者の捉え方によってこの作品の
主人公は変わってくると思います。
私の中ではこの作品の主人公は
二人だと思ってますので、あえて一人目と書かせて頂きます。
では気を取り直して…主人公で
高校生のジェルミは漆黒の
巻き毛が特徴の美少年。
多くの友人達に恵まれ、お年頃と
いう事もあり、彼女であるビビアンとの初体験を計画していました。
ジェルミの父は早くに亡くなり、
アンティークショップで働く母の
サンドラと共に生活していました。
そんな何気ない日常の中、母の店に
一人の男性が客としてやってきます。
その男性は多くの資産を持つ紳士で名前はグレッグ。
グレッグも先妻に先立たれており、
ジェルミの母とグレッグは婚約を誓う仲になります。
母が喜んでいる姿を見て、
ジェルミは喜ぶのですが、
ある日グレッグにドライブに誘われます。
そして衝撃の真実を告げられるのです。
何とグレッグは母のサンドラ同様、
ジェルミの事も愛してると告白してきたのです。
しかも無理矢理関係を結ぼうとします。
ジェルミは「クレイジーだ」と言って、
その場から逃げ出しますが、
自宅に帰宅すると母サンドラが
グレッグに婚約破棄されたと泣いています。
そして次の日、サンドラは自殺を図るのです。
幸いジェルミが見つけるのが早く、
彼女は助かりましたが意気消沈。
知らせを聞いてグレッグはもぅ一度、
サンドラに謝罪をし婚約する事を誓います。
しかしそれには裏がありました。
グレッグはサンドラに内緒で
ジェルミに肉体関係を強要するのです。
ジェルミは拒否したいのですが、
母サンドラの事を思い一度だけ…
という約束でグレッグの交換条件をのむ決意をするのです。
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ネタバレ
「残酷な神に心も体もバラバラにされた少年の出した答えとは…」
母サンドラの為に自らを捧げる決意をしたジェルミ。
彼の地獄はここから始まり、
そして引き返せない選択をしてしまいます。
ここからは、ネタバレになりますので、
ネタバレOKの方のみお付き合い下さい。
たった一度だけ…そぅ思ってグレッグに
抱かれるジェルミですが、このグレッグ実はかなりのサド。
ジェルミの両手足をロープで
ベッドに縛り、嫌がるジェルミに大興奮。
この男はかなりヒキます。本当に鬼畜の所業。
何とか約束を果たし、その後
サンドラとグレッグは結婚するの
ですが、ジェルミはここから
地獄の日々を送る事になります。
そぅ、母という弱みを握られた
ジェルミは毎夜、グレッグに
犯される日々を送る事になるのです。
そして遂に我慢できなくなった
ジェルミは、グレッグを殺害する計画を立てるのです。
それは車に細工し、事故に見せかけるというもの。
本来ならこんな事思いつく様な少年ではなかったジェルミ。
しかしグレッグという残酷な
神のせいで、彼の精神も肉体も
極限まで追い詰められていたのです。
とうとう、グレッグ殺害を
実行にうつしますが、彼も
予想だにしなかった事が起こります。
それは彼の母であるサンドラが
運悪く、グレッグの車に同乗。
しかもサンドラは即死。
グレッグは意識不明の重体となります。
母サンドラの葬式で呆然とするジェルミ。
そんな彼に優しく声をかける
美青年のイアン(二人目の主人公)。
実は彼、グレッグと先妻の子ども。
ジェルミとは義兄弟になります。
そんな義兄であるイアンの前で
ジェルミは、動揺のあまり
「あいつが死ぬはずだったのに…」と呟やいてしまいます。
その言葉を聞き、イアンは
今回の事故に疑問を持ち始めるのです。
結局、重体だったグレッグは
それから間もなく死亡。
イアンは尊敬する父の死に
納得いかず、独自に事故を再調査します。
その後、ジェルミを問いただし、
事の真相を聞く事になります。
しかし、その真実はイアンに
とってはとても衝撃的で、
とても信じられるものではなかったのです。
自分が知ってる父の裏の顔…
グレッグを偉大だと思っていた
イアンは、ジェルミが話す真実を完全に否定。
二人は距離を置く事になります。
しかしその後、グレッグの持ち物
(ムチや仮面)を見つけた事や
グレッグの被害者が続々と出てきた
事により、イアンはその真実を
受け止め、ジェルミに謝罪する為に行方を捜します。
やっと見つけたイアンでしたが、
ジェルミは堕ちる所まで堕ちていたのです。
何とか更生させようと、
ジェルミに寄り添うイアン。
最初は贖罪のつもりで接していた
イアンでしたが、徐々にジェルミの
妖しく危うい所に惹かれ、とうとう二人は愛し合う事になります。
しかし、ジェルミの心は残酷な神
(グレッグやサンドラ)の手によって、
完璧に壊れてしまっていたのです。
一体この二人はどんな結末を迎えるのか…気になりませんか
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